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「全く、使い魔と主がなんだい。私なんか、元男で男を好きになってるんだよ?ホモじゃん!?みたいな事考えて一晩中悩んだ事だってあるんだから」
「で、どうしたんだ?」
「自分の気持ちに正直になる。これに尽きると思うよ」
「そう………か」
自分の気持ちに正直になる……か。
「さて、そろそろ戻ろうかな。明日は早いからさっさと寝なよ?」
「あぁ、リョウ。その………」
「ん?」
「……ありがとうな」
「フフ、どういたしまして。おやすみ、また明日」
「おう」
リョウは、綺麗な微笑みを浮かべて転移した。
それを見届けてから俺は、部屋に戻ってトゥーナが寝ているベッドに腰かけて、トゥーナの頭を撫でながらさっきリョウに言われた事を考えていた。
俺が臆病になればなるほど、トゥーナが傷付く。
その問題を解決するには、告白するしかない。でも、そんな勇気、今の俺には無い。
「……スー……スー……」
「……………………」
トゥーナ、好きだよ。
今は口に出すことも出来ないけど、いつか、必ず気持ちを伝えるから。
だから……。
だから、その時まで貴女に片想いしてもいいですか?
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