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「起きろ!お兄ちゃん!」
「ぐふッ!!」
何かが、腹に落ちてきて、その痛みで俺は、目が覚めた。
「あはははっ!ぐふッ!!だって、緑の一つ目とは違うのだよ!ってこと?あははは!」
「……妹よ、大笑いしてるとこ悪いけど、明日から兄の腹に踵落としするようなバイオレンスな起こし方は止めてくれ」
「あははは!お腹痛い!
それからそのお願いは聞けないぜ!」
俺の目の前で笑顔でサムズアップしているのは、長い黒髪を大きな二つの白いリボンで結って、所謂ツインテールにしていて、どんぐりみたいな丸っこい茶色の目、中三にしては、少し小柄な体をした我が妹こと海堂 千華(カイドウ チカ)だ。
ちなみに、結構モテるらしく、よく告白された事を報告してくる。
「何故?」
「面白いから!!」
「はぁ…」
だろうと思ったよ。
「ため息はよくないぞっ」
「誰のせいだとおもってんだ」
「そんなこと知らないにゃ~ん」
そう言って千華は、長い髪を靡かせて部屋から出ていった。
「あー…」
ゾンビみたいな呻き声を上げながらベッドから出る。
まったく千華には、困った物だ。
毎日起こしに来てくれるのは、ありがたいけど何分起こし方が暴力的なのが玉に傷なんだよなぁ。
昨日は、体の上で軽快に、だが、情熱的にサンバのリズムを刻んでくれたよ。
はぁ…。
明日は、なにされるんだか……。
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