中間試験?そんなのパスして文化祭だ!

33/41
33907人が本棚に入れています
本棚に追加
/693ページ
  『ハッ!! 私としたことが、少々取り乱してしまいました』 少々!? アレは最早狂乱レベルだったぞ!? 『それでは気を取り直して、ギーナ君! アピールよろしく!』 「は、はいっ!」 レーナの声にギーナは返事をすると立っていた位置から一歩前に出た。 「え、えーっと、よろしくお願いします!」 会場に向けて一礼するとギーナは右掌にファイヤーボール、左掌にサンダーボールを作り出し、それを空に向けて放つ。 火の玉と雷の玉は螺旋を描きながら上昇していき、ステージから十メートル程の所でお互いにぶつかり爆発する。 爆発の弾みで生じた煙を鳥の形をした火と雷が突き抜けた。 っ!? 魔法を装飾してる!? 鳥の形をした魔法なんて存在しないから既存の魔法の形を変えているのだろうが、そんな事並大抵の魔力操作じゃ先ず出来ない。 魔法を装飾するなんて事は重ね身体強化より難しい筈だ。 会場の人達が息を呑む中、火と雷の鳥はエアライドを繰り広げている。 現在は雷の鳥を火の鳥が追いかけているような構造だ。 と、そこに六本のサンダーアローが飛来し、火の鳥が、それを大きく旋回して避ける。 しかし、雷の矢は火の鳥をホーミングし、追いかける。 更に矢の後ろから雷の鳥が火の鳥を追う。 ぱっと見、雷の鳥がサンダーアローを放ったように見える。 火の鳥は縦横無尽に襲いくる矢を器用に避け続けている。 そして、サンダーアローの一つが火の鳥を射ぬかんとした瞬間、ファイヤアローがサンダーアローを打ち消した。 その間に火の鳥は180°方向転換し、雷の鳥に突撃する。 雷の鳥もそれに臆する事なく突き進む。 そして、二羽の鳥は衝突し、爆発を起こして消えた。 凄い魔力操作の才能だ。 でも、今のエアライドを見て何となく金ぴか対狂犬の空中戦を思い出した。
/693ページ

最初のコメントを投稿しよう!