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この世界にも歌の概念はある。
昔、神帝が広めたらしい。
とは言っても『歌』って言うより『詩』とか『唄』って感じの物が多いんだけどな。
「それじゃあ、時間の都合上一曲だけだけど、お付き合い願います」
そう言って、俺はオーディオプレーヤーに魔力を送る。
それと同時に流れ出すピアノの伴奏。
「形のない気持ち忘れないように~。
決まりきった~レイアウトを~消した。
ふと口ずさんだフレーズを掴まえて~。
胸に秘めた~言葉乗せ 空に解き放つの~」
Google先生のCMで使用された事で有名なこの曲。
「君に伝えたいことが 君に届けたいことが
たくさんの点は線になって 遠く彼方へと響く。
君に伝えたい言葉 君に届けたい音が
いくつもの線は円になって 全て繋げてく。
どこにだって~Ah~♪」
ヘッドマイクを作った時点で分かってるとは思うが踊りは完コピだ。
歌って、踊りながらトゥーナを探す。
視力を強化して会場を見渡す。
しかし、なかなか見つからない。
おかしいな。何処に居るんだろ?
二番のサビを歌いながら最前列に目を向けると目をキラキラさせているトゥーナを見つけた。
一番前に居たのかよ!!!
後ろから探した意味無いじゃん!
まぁ、楽しんでくれてるなら良いかな。
「君が伝えたいことは 君が届けたいことは
たくさんの点は線になって
遠く彼方へと響く。
君が伝えたい言葉 君が届けたい音は
いくつもの線は円になって 全て繋げてく~。
どこにだって Ah~」
ピアノの伴奏が終わり、頭を下げる。
すると同時に歓声が聞こえてきた。
それを聞いて思わず頬が緩む。
『うぉぉぉぉぉぉ!!!
テンション上がったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
流石は大トリやってくれるぜ!
さぁ! 今から10分後に投票を開始するよ!!!
参加者の皆は結果が出るまで控え室で待っててね!!!』
ふむ、楽しみだな。
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