33917人が本棚に入れています
本棚に追加
文化祭が終了して早二ヶ月、クリスマスまで後二週間という時期に俺はギルドで『ミノタウロス』の討伐依頼を受けていた。
ちなみにSランク。
「ブルァァァァァ!!」
それで、今、討伐対象のミノタウロスと抗戦中。
ミノタウロスは右手にフリージアで手に入れた刀に似た黒い剣『煉獄=災禍』を持って棒立ちしている俺に憤怒の雄叫びを上げながら突進してくる。
なんでこのがミノタウロスがここまでキレてるのかっていうと、俺が出会い頭に一発頭に蹴りをブチ込んだ所、頭に生えていた二本の角のうち一本がポッキリと折れてしまったからだ。
まぁ、まっすぐ突こんで来てくれるなら好都合だわな。
「煉獄壱ノ型『獣爪』!」
災禍に魔力を込めた状態で突進してきてるミノタウロスに向けて、袈裟斬りに振り下ろす。
ギャリィィィィン!!
すると、ガラスを引っ掻いたような不快音と共に災禍から三本の黒い斬撃が放たれ、ミノタウロスに迫る。
「ブルッ!?」
ミノタウロスも直前でその事に気付いたらしいが、気付くのが遅すぎた。
「■■■■■■■■――――ッ!?」
何とも表現に困る断末魔の咆哮を上げて力尽きた。
その身体には、巨大な獣の爪によって引き裂かれたような傷が刻まれていた。
さっき俺が使った煉獄壱ノ型『獣爪』ってのは、災禍に魔力を込めて斬撃を飛ばすだけの技だけど、斬撃を翔ばす前に暴王〇月のようにプログラムを組んで放てばそのようになるって事が最近分かった。
って言ってもまだ参ノ型までしかないけど…。
「っと、災禍のこと考えてねぇで、さっさと帰らねぇと」
最初のコメントを投稿しよう!