第三のチート接近的な何か

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  「さて、討伐の証拠品を取ってさっさと帰るか」 ミノタウロスの死体に近づき、折れてない方の角を根元から折ろうとした瞬間、何か名状し難い不気味な気配を感じて、その場で回転し、その勢いを乗せた災禍を振り向き様に横薙ぎに振る。 ガギン! 災禍の黒い刃は、ソレの持っていた巨大な白い剣によって防がれたが、勢いでソレを大きく後方へ弾き飛ばした。 俺はそこで初めてソレの全体像を見た。 驚く事にソレは人に似た姿をしていた。 二メートルを裕に越える巨体。 その全身に中世風の白銀の鎧を身に纏い、頭部も鏡のようなのっぺりとしたフルフェイスに覆われている為、どのような顔しているのかは分からない。 右手には俺自身とほぼ同サイズの巨大な大剣を携えている。 そして、一番強く異彩を放っているのは、その背中から生えている二対の翅。 虫の翅ような物がソレの背中から生えていたのだ。 「おいおい、俺はいつALOの世界樹の中に入ったよ」 そう、ソレはSAOの四巻で世界樹の中にあるドームで無限ホップするガーディアンに似ているというより、そのものだった。 「グラァァァアァァァァ!!!」 なんで、コイツがこんな所に居るんだよという視線をガーディアンに向けていると、突然ガーディアンが咆哮を上げて飛翔し、俺が突然の事で反応出来ない内に上空十メートル程まで上昇すると右手に持っている大剣を上段に構えたまま俺に向かって落下してきた。 ッ!? アレを喰うのは流石にまずい!! 「ァァァァアアアアア!!!」 ドゴォォォォン!!! 俺が身体に身体強化を施してその場から離れた瞬間、咆哮を上げならガーディアンが降ってきて、大剣を地面を叩き付けた。 「くっ!」 その時、鳴り響いた爆音と撒き散された衝撃波と土煙に思わず、左手で顔を庇う。 それに舞い上がった土煙で視界が悪くなり、何処にガーディアンが居るのか分からなくなってしまった。 「グルァァァアァァァ!!!」 しかし、ガーディアンは自分の姿を隠すつもりが無いのか咆哮を上げながら低空飛行で周りの土煙を吹き飛ばしながら突き進んで来た。 「何なんだよ! 畜生!」 俺は災禍を鞘に収め、魔力を込める。 リョウの銀影を参考に作った技。 「煉獄弐ノ型『八百鴉』!!!」
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