第三のチート接近的な何か

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アレからギルドに行ってミノタウロス討伐完了の報告し、俺はさっさと帰ろうとしたが、運悪くエルザさんに発見され、学園の方から連絡が来ていたのかアリスの事を追及された。 とりあえず、一戦交えたが何も分からないと伝えてギルドを後にした。 ギルドを出る時に明日定例会議をやると言われた。 定例会議は確実にアリスの事だろう。 あー、だいぶ時間繰っちまったな。 翼のペンダントの反応を見る限りまだ学園に居るみたいだし、急いで行かねぇと。 「転移」 ―――――――――― ――――――――― ―――――――― ――――――― ―――――― ――――― ―――― ――― ―― ― 転移で移動した俺が一番最初に見たのは、俺とお揃いで買った翼のペンダントを両手で握って祈るような姿勢をしているトゥーナとその周りにいるソフィア達と何故か居る他の六大貴族とカイトだった。 「何だ? この状況…?」 俺が思わず言葉を洩らすとトゥーナが弾かれたように顔を上げて、俺を見る。 「た、ただいま」 ちょっと吃驚してどもってしまったが、右手を小さく上げて出来るだけ笑顔で言ってみた。 すると、俺を見ているトゥーナの目がどんどん涙目になっていき、ダッ!という効果音が鳴りそうなくらいの速さで走って俺に飛び付いてきた。 「おわっ!?」 普段なら受け止められるが、今は、トゥーナの涙の意味が分からずにぼーっとしていたので、そのまま倒れた。 「痛ててて…どうしんだよ?」 上体を起こして張り付いているトゥーナの頭に手を乗せて聞いてみる。 「…………」 「トゥーナ?」 「…………ばかぁ…!!!」 何で!? 「トゥ、トゥーナ? お、俺、トゥーナを怒らせるような事した?」 「…早く…戻る…って…言ったのに…全然…帰って…こなかった…! …あの…後に…何か…あったのかも…しれない…って…凄い…心配…した…!!」 「そう…だったのか。ごめんな? 言い訳はしないよ」 俺を見るトゥーナの目をまっすぐ見て謝る。 「…ううん…いい…ジュン…が…無事…なら…それで…いい…」 頭を横に振り、そう言って、言ってから恥ずかしくなったのか俺の胸元に額を押し当てて俯くトゥーナが可愛くて、愛らしくて、とりあえず俺はトゥーナの頭を撫でる事にした。
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