第三のチート接近的な何か

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  「今回の議題は、言わなくても分かるだろうが、昨日学園を襲撃した者の事だ」 エルザさんが言うとそれを聞いた帝達の反応は二種類に別れた。 驚愕する者としない者。 驚愕したのは昨日学園に居なかった風帝、水帝だった。 地帝も居なかった筈だが、動じる事なく話を聞いている。 「学園を襲撃って…。 そんなバカみたいな事する奴が居たの?」 「国に喧嘩売るようなもんだぞ?」 そう学園には王女を始めとする多くの貴族の子息がいる。 そこを襲撃するという事は国対する宣戦布告にも等しい事だ。 「あぁ。だが、襲撃してきたのは本人ではなく、白いゴーレム集団と巨大な灰色のゴーレムを一体送り付けてきただけだがな」 「それで、その送り付けてきよった馬鹿者は分かっておるのか?」 地帝がそう聞くとエルザさんは重々しく頷いた。 「それは、学園とはまったく別の依頼先で襲撃された総帝の証言によって判明している。 名前はアリス。 100年前に消えた筈の神帝と名乗ったそうだ」 「なんじゃと!?」 エルザさんが、今回の犯人であるアリスの名前を出すと地帝が声を上げて驚いた。 他の帝は、ピンとこないのか反応に困っていた。 「地帝殿、何をそうも驚いている? 普通に考えて、神帝が生きているなどという事はありえない。 襲撃犯が勝手にそう名乗っているだけではないのか?」 地帝の驚きように闇帝ことステラが聞く。 まぁ、普通ならそう考えるわな。 でも、アイツは 「神帝は不死身なんじゃよ」 そう、不死身って、えっ? 「地帝、そいつァどういう事だ?」 雷帝、カインに聞かれ、地帝は目を閉じ、何かを思い出すような仕草の後にゆっくりと語り出した。 「神帝アリスは、如何に致命傷を受けても、すぐに治ってしまうのだ。 ワシは、神帝のそんなありえないような話を当時地帝だった父から何度も聞かされたわい。 それに、ワシも一度だけその光景を見た事があるしの」 「ちょっと待て! 一回見た事あるって、地帝、アンタ一体何歳なんだよ!?」 「ん? 総帝、今はそんな事どうでも良いじゃろ? まぁ、ええか。117歳じゃ」 神帝が出てきた事より驚きだよ。
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