腐女子的にいうところの王道展開みたいな

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 新入生が漸く学校生活にも寮生活にも慣れてきたであろうゴールデンウイーク明け、転入生がやって来た。  編入試験を満点でクリアしただの、理事長の身内だの、転入生についての噂が飛び交っていたが、それでも日夏は自分には関係ないだろうと気にもしなかった。  本人に懐かれるまでは。  同じクラスで席は隣。  教科書がまだ揃っていないから、という話から始まり半日、どういうわけなのか転入生に懐かれた。そしてまさかの親友認定。  まあ、それだけならさして問題はなかった。  問題だったのは、転入生が、顔よし・頭よし・育ちよし、の三拍子揃い踏み集団、生徒会役員に気に入られていたこと。  生徒会イコール学校のアイドルで、非公式ではあるが親衛隊のようなものもあるらしい。  日夏は彼等の影響力を充分理解していたので、なるべく関わらないようにしたかった。  だがしかし、転入生に 「親友の日夏だ。お前らも仲良くしろよ」  の一言で、それも叶わなくなってしまった。
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