一瞬のときめきを…

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「玉森くん、はさ ここでバイト始めてどれくらいになるの?」 本当は君がバイトを始めた時期くらい知ってるよ。 だって、バイト初日に俺にコーヒーぶっかけたんだから。 「一年になりますよ。 俺ね、バイト初日に北山さんにコーヒー溢しちゃって… 覚えてますか?」 玉森くんも覚えてたんだ。 「覚えてるよ。 だって、染みが落ちなくて悩んだからさ。」 そう、あのときに一目惚れした。 だからあのスーツは家にちゃんと置かれたまま。 「すいません… あ、そろそろ行きますね。 これ以上仕事の邪魔するわけにいかないですし。」 にっこり微笑んで小さな紙を置いていった玉森くん。 気になってなかを見てみれば 玉森裕太 090-xxxx-xxxx よかったら連絡ください。 遠慮がちに書かれた連絡先。 俺達が、 関係を進めるのはまだ先のこと。 -END-
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