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「なあなあ、にーかわサン」
「……」
「にーかっわサーン! 起ーきーてーっ!」
「っるせ…………何?」
「雀ってよく見るとかわいいよな。すっげー餌付けしたい」
「すれば?」
「真島、授業中はベランダじゃなくて黒板見てくれ。あと新川、お前が真島を止めないであまつさえ寝ていてどうするんだ。委員長だろ」
「……雀って何食うんだろ?」
「パンとか?」
「そっか、さんきゅ。ほーら、餌だぞー。食え食え」
「そっちの窓際いいよなー。今度ちょっと替わろうぜ」
「なあ、お前ら聞いてる? 今、現社の授業中なんだけど」
「えー、うーん……代わりに餌付けしといてくれるならいいけど」
「任せろ。あとでパンだけくれよな。今日、俺、弁当だから」
「おっけー。ってか、弁当作ったの? 俺の分も頼んどけば良かった」
「次は一緒に作ってやるよ」
「まじで? 今から楽しみすぎる!」
「あんま期待すんなよ」
「期待するし、超するし」
「二人とも……頼むから、教室の端と端で会話するのは止めてくれ」
「俺とにーかわサンに距離なんて関係ないっ!」
「まあ、どうせ皆寝てるし。俺も寝てたけど。大して迷惑でもないだろ」
「確かにそうだけど。いや、本当はダメなんだけど。迷惑とかそういうことじゃなくてだな……」
「あれ、俺スルー?」
「落ち込むな、こーへー。先生よりましだ」
「まあね!」
「んじゃ、おやすみ」
「おやすみー」
「もうやだこのクラス」
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