渡る世界はバカばかり

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*** 「なあなあ、にーかわサン」 「……」 「にーかっわサーン! 起ーきーてーっ!」 「っるせ…………何?」 「雀ってよく見るとかわいいよな。すっげー餌付けしたい」 「すれば?」 「真島、授業中はベランダじゃなくて黒板見てくれ。あと新川、お前が真島を止めないであまつさえ寝ていてどうするんだ。委員長だろ」 「……雀って何食うんだろ?」 「パンとか?」 「そっか、さんきゅ。ほーら、餌だぞー。食え食え」 「そっちの窓際いいよなー。今度ちょっと替わろうぜ」 「なあ、お前ら聞いてる? 今、現社の授業中なんだけど」 「えー、うーん……代わりに餌付けしといてくれるならいいけど」 「任せろ。あとでパンだけくれよな。今日、俺、弁当だから」 「おっけー。ってか、弁当作ったの? 俺の分も頼んどけば良かった」 「次は一緒に作ってやるよ」 「まじで? 今から楽しみすぎる!」 「あんま期待すんなよ」 「期待するし、超するし」 「二人とも……頼むから、教室の端と端で会話するのは止めてくれ」 「俺とにーかわサンに距離なんて関係ないっ!」 「まあ、どうせ皆寝てるし。俺も寝てたけど。大して迷惑でもないだろ」 「確かにそうだけど。いや、本当はダメなんだけど。迷惑とかそういうことじゃなくてだな……」 「あれ、俺スルー?」 「落ち込むな、こーへー。先生よりましだ」 「まあね!」 「んじゃ、おやすみ」 「おやすみー」 「もうやだこのクラス」
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