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「それじゃあ、各自作業始めー」
「にーかわサーン」
「んー?」
「テーマ決めたー?」
「や、まだ。こーへーは?」
「俺は最初から決めてたんだ! テーマはズバリ……世界にとっての正義とは何か!」
「ああ、まあ、いんじゃね?」
「まずは、フィクションの正義のヒーロー! 次に、歴史で英雄扱いされてる偉人! そしてっ! 最後はこの俺の世界に対する正義について! さすが俺! 完璧!」
「うん、好きにすればいいと思う」
「にーかわサン、それ棒読み――」
「真島くん」
「あ、せんせー」
「しっかりテーマを決めてきたみたいだね」
「もっちろん! もう内容も完っ璧!」
「そっか。でも今聞いた限り、10分以内にまとめるのはちょっと大変そうだね」
「そーかな?」
「10分って意外と短いからね。伝えたいことが沢山あるなら尚更」
「えー、どーしよ」
「今から内容を整理しておいたらどうかな? 新川くんも他のみんなも、自分のテーマを決めなきゃいけないし、早く終わればその分練習時間も増えるよ。ね、新川くん」
「え? はい、まあ、そうですね」
「うーん……せんせーもにーかわサンも言うならそうだよね。よし! 俺、今から10分以内になるように考えてみる!」
「何かわからなかったら聞きにおいで」
「ん、ありがと、せんせー」
「どういたしましてー」
「(先生、さすがに慣れてんな……)」
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