渡る世界はバカばかり

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*** 「それじゃあ、各自作業始めー」 「にーかわサーン」 「んー?」 「テーマ決めたー?」 「や、まだ。こーへーは?」 「俺は最初から決めてたんだ! テーマはズバリ……世界にとっての正義とは何か!」 「ああ、まあ、いんじゃね?」 「まずは、フィクションの正義のヒーロー! 次に、歴史で英雄扱いされてる偉人! そしてっ! 最後はこの俺の世界に対する正義について! さすが俺! 完璧!」 「うん、好きにすればいいと思う」 「にーかわサン、それ棒読み――」 「真島くん」 「あ、せんせー」 「しっかりテーマを決めてきたみたいだね」 「もっちろん! もう内容も完っ璧!」 「そっか。でも今聞いた限り、10分以内にまとめるのはちょっと大変そうだね」 「そーかな?」 「10分って意外と短いからね。伝えたいことが沢山あるなら尚更」 「えー、どーしよ」 「今から内容を整理しておいたらどうかな? 新川くんも他のみんなも、自分のテーマを決めなきゃいけないし、早く終わればその分練習時間も増えるよ。ね、新川くん」 「え? はい、まあ、そうですね」 「うーん……せんせーもにーかわサンも言うならそうだよね。よし! 俺、今から10分以内になるように考えてみる!」 「何かわからなかったら聞きにおいで」 「ん、ありがと、せんせー」 「どういたしましてー」 「(先生、さすがに慣れてんな……)」
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