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鉄の塊が青年の、身体ぎりぎりを通過していく。
その強大な質量に周囲の空気がねじ曲がってしまうほどだ。
「うっ……危ねえぇ……」
命をかけて戦う今でもどこか、この現実を信じていない自分がいる。
次に目を開けた時、いつもの朝に戻るのではないか。そんな希望を胸に抱き続けている。
振り下ろされる鉄の棍棒は、その大きさだけで俺の身長を越えるだろう。
そんな棍棒を平然と握るコイツは一体何なんだろう。
コイツだけじゃない。ここには俺の世界に無かった物で溢れすぎている。
まるでゲームだ。決してリトライ出来ないゲーム……戦い、そして勝たなければ死ぬだけだ。
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