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静かな部屋にドアが開く音が響く。
ようやく帰って来たかと思い玄関に出てみればそこにはコンビニ袋を持った浦正先輩の姿が。
「お、ただいまー」
俺に気付いた浦正先輩が買ってきたコンビニ袋を見せる。
「お帰りなさい」
冷蔵庫は俺のすぐ側。
どうせだから牛乳を冷蔵庫に入れてあげようと思い手を差し出すが、浦正先輩は動こうとはしなかった。
「どうしたんですか?」
「……あ、いや……なんか、いいなって思って」
「は?なにが?」
「『ただいま』って行ったら好きな人が『お帰り』って出迎えてくれるって……幸せだなって」
「……なっ!!」
予想もしてなかった言葉に俺の顔は一気に赤くなる。
それを見て面白そうに笑う浦正先輩。
「こーき、顔真っ赤」
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