不幸すぎる少年

9/41
前へ
/229ページ
次へ
 ぼくには、両親のほかに、親族縁者がいなかった。  両親は、二人共に一人っ子で兄弟がいない。そして両親の両親、つまりぼくの御祖父ちゃんとお祖母ちゃんにあたいする人たちも、ぼくが生まれる前に亡くなっていた。  親戚は、いるとむかし両親から聞いた事があるものの、ぼくは一度も会ったことがない。  お歳暮も年賀状も貰った事がない。そしてどこにいるのかもわからない。  つまりぼくは、両親を亡くしたことで『孤児』になったのだ。  唯一の救いは、家とお金があることだった。 .
/229ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加