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ぼくには、両親のほかに、親族縁者がいなかった。
両親は、二人共に一人っ子で兄弟がいない。そして両親の両親、つまりぼくの御祖父ちゃんとお祖母ちゃんにあたいする人たちも、ぼくが生まれる前に亡くなっていた。
親戚は、いるとむかし両親から聞いた事があるものの、ぼくは一度も会ったことがない。
お歳暮も年賀状も貰った事がない。そしてどこにいるのかもわからない。
つまりぼくは、両親を亡くしたことで『孤児』になったのだ。
唯一の救いは、家とお金があることだった。
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