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だが、その時。
「おい! こらてめぇ!」
「うわっ!?」
いきなり後ろから伸びてきた手がぼくの胸倉を掴むと、いっきに上に持ち上げてきた。体が軽く身長も低いぼくは、地面から五センチほど浮き上がった。
ぼくの胸倉を掴んでいるのは、茶髪で鋭い眼つき、筋肉質で体の大きな男子生徒。
名前は、近藤 大治(こんどう だいじ)。同学年のこの学校の不良グループのトップ、だと聞いたことがある。
息苦しさにぼくは、ほんの少し抵抗をした。胸倉を鷲掴みにする相手の手に触れたとたん、右頬に衝撃が走った。
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