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出席点呼をしていると、教室のドアが勢いよく開いた。そして、教室に入ってきたのは、近藤君だった。
「近藤君! 遅刻ですよ!」
「すいやせーん先生」
ぼくは、耳も眼も疑った。なんと、近藤君と一緒のクラスだったのだ。
彼は、窓際のぼくとは、逆の方向の廊下側の席に座った。
ぼくは、彼に見つからないように人と人の間に隠れるように低い姿勢で座り、さらに顔を下に向け小刻みに震えた。たった数十分の間にぼくの中で「近藤」と言う人物は、恐ろしいもののほか、何者でもなくなっていた。
そんな怯えているぼくに後ろに座っていた友達が小さな声でぼくに言った。
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