不幸すぎる少年

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 だが、それも意味がないこととなる。そんな生活を続けて一週間たったある日のこと―――。  ぼくの『日常』は、崩壊した。    その日は、気持ちもどんよりとさせるような曇り空。いつもどおり、友達と他愛もない話をしていたら、いきなり黒い影がぼくを包み込んだ。  背後からどす黒い何かを感じる。喧嘩とかそういったものとは無縁のぼくでもそのどす黒い何かがなんなのかすぐにわかった。  これは『殺気』だ。  とてつもなく嫌な予感がする。友達の顔を見てみると、それがよくわかる。  先ほどまで笑っていた友達の顔が、青ざめて笑顔を失い、顔は硬直しきって小刻みに震えている。  ぼくは、ゆっくりと後ろを振り向いた。 .
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