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「…兄さん、大丈夫ですか?」
聞こえないように吐いたため息に気づいたのか。一番傍にいた弟が、小声で私を心配してくれる。
そんな弟の表情に、蒼マジ可愛いマジ天使とか思ってしまう私は死んじゃえばいいと思う。
ごめんね、蒼。私は蒼の兄である前に腐女…、ゲフンゲフン。腐男子なんですごめんなさい。
でもこんな趣味を晒しているのに蒼は全然引かないよね。
残念だなぁ。中身が私じゃなかったら健気×腐男子の双子近親相姦だったのに。
なんて、見当違いな落胆を伝えるわけにもいかないので、蒼の表情を伺いながら、少しだけ性悪そうに微笑む。
「ふっ、大丈夫だよ。血気盛んな若者の熱にあてられただけさ」
男らしさを求めるが故に矯正した口調は、少しだけ大仰な話し方になってしまったけれど。
『来栖藍』を演じる上で、この口調は最適だった…と、私は思う。
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