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腐女子な女が理由不明な転生トリップをして、小説内のキャラとして生きる。
その人生は文章にすれば面白くも感じるけれど。実際に生まれ変わった私にとって、二度目の生は苦痛以外のなにものでもなかった。
しかしそれでも
私がこの場所に立っていられるのは、やはり弟の蒼の存在のおかげなんだろうね。
「みんなーっ、今年もぼくら兄弟をよろしくね!」
自己紹介用に渡されたマイクを片手に、もう片方の腕で蒼の腕を抱きしめながら、愛嬌のある笑みを浮かべる。
途端に上がった男子生徒の歓声に、チョロいなと内心で嘲笑いながら。
今期から選ばれた生徒会庶務という役割をどう利用するべきかと、蒼のことを見ながら、これから展開していくだろう原作に思いを馳せた。
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