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詩「…はぁ…」
保健室のベッドで一人、溜め息をつく。
今、この学校に残っている奴はほとんどいない。
みんなは今朝、宿泊行事でホテルへと旅立ってしまった。
こんな時に熱を出して倒れるなんて……
自分の不甲斐なさに悲しくなる。
「お前、あんなくだらねぇ行事に行きたかったのか?」
無遠慮にカーテンを開けて入ってきたのは、此処の保健医の周藤雅樹(すどう まさき)。
彼は26歳という若さと容姿により、なかなか人気のある先生の一人だ。
肩まである髪が鬱陶しいのか、いつも髪を結っている。
そんなに邪魔なら切ってしまえばいいのにと前々から思っていたのだが自分が長い手前、口に出した事はない。
詩「別に行事なんてどうでもいいんです。ただ…」
雅「荒木琉唯か」
周藤の口から出た言葉に目を見開く。
まさか周藤の耳にまで届いていたとは……
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