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そういう感じでぼくの家で勉強会が敢行されることになった。
家に帰るとあおいが先に帰っており、お絵かきをしていた。
「いま帰った」
「おー、ひなた、おかえりー」
そしてぼくの後ろにでかい目を移す。
「新しい影武者かー?」
「そうだ」
「ちげえよ」
ようこが突っ込んだ。
「ようことみなみは知ってるだろ? 前も来たから」
「おー! おー! 久しぶり! はじめまして!」
「どっち?」
「なんだかあんたの妹って感じね」
呆れたようにヴォルデモートが言う。
「誰だ!?」
夏目とヴォルデモートに気づいたらしく臨戦体勢をとる。
不死鳥の構え。
「こっちは夏目だ」
細身の優男を指差す。
「はじめまして」
「はじめまして!」
「夏目はな、なんとあの文豪、夏目漱石の知り合いの子孫なんだぞ」
「すげー! すげーすげー!」
本名は夏目結石。 尿管に詰まってそうな名前なので本人は気に入ってないとのこと。
学生ながら漱石よろしくの文才で様々な賞を受賞して新進気鋭の作家として注目を浴びている。
代表作は『嬢ちゃん』『吾が輩は貴女の豚である』など。
今日は国語と日本史担当である。
「すげー! あおいにも読ませてー」
「18歳になったらねぇ」
・・・官能小説家である。
「あおいちゃん、久しぶり」
みなみがあおいの頭を撫でると、あおいはくすぐったそうにしながらも猫みたいに目を細めた。
「おー、みなみは今日もいい子だな」
「それシチュエーション的にこっちのセリフだからね」
みなみは幼なじみなので昔からよく遊びに来ていたためあおいとも親しい。
「じゃあぼくたちは部屋に行くから」
「待ちなさい! この展開は予想してたけど私も紹介しなさいよ!」
「あおいはハリーポッターは観たから必要ない」
「あるわっ!!!」
「なんだひなた? こいつはひなたの敵なん?」
「そうだ」
「じゃああおいの味方だなー」
「ええっ!?」
新事実が発覚した。
あおいは2秒でぼくよりこかげになついたのだった。
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