少年クラーケン

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少年クラーケン

.  転校初日。  特に何かを期待していたわけでもないのだけれど……、とりあえずパンを咥えて走ればどうにかなるだろうという、根拠のない自信を胸に抱きながら俺は誰もいない通学路を全力で駆け抜けていた。  ちなみに時刻は午前七時五十分。授業開始まであと十分弱。  ハッキリ言って、大遅刻である。  どうしてこうなった!?  と、誰かに尋ねたところで答えは一つしかない。
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