少年クラーケン

10/50
前へ
/50ページ
次へ
 その瞬間、俺の足元の床だけがぱっくりと大きく口をあけた。 「へ」  ……まさか。  まさか。  落ち、落ち――、 「て、たまるかああああい!!」  八本の触手をばたつかせて、咄嗟に穴の縁へしがみつく。  吸盤を引っ付かせて、きゅうっと力を入れた。  例えるなら尻の穴をすぼめるような感じ。  うん。  我ながら、素晴らしい順応性。  何となく動かし方のコツが分かったような気がした。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加