少年クラーケン

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「ちっ!」  すると頭上で高らかな舌打ちの音が響く。  見上げるとあの謎の帝国のナントカ職人が、忌ま忌ましげに俺を見下ろしていた。 「抵抗するなんて生意気よッ!」  眦を釣り上げて、そのしなやかな右太股をぐわっとばかりに持ち上げる。  白衣の裾から、黒いレースのフリルがふんだんにあしらわれたスカートが顔を覗かせた。  あ。み、見え……  直視してはいけない禁断のデルタ地帯がコンニチハしかかり、俺の目はそこに釘付けとなる。  そして――  バキッ!  彼女のローキックの餌食となった。 「落ちなさい!」  ドカッ! 「さっさと落ちなさい!」  バゴッ! 「いい加減に落ちなさい!」  ドゴォッ! 「キャイン! キャイン!」
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