少年クラーケン

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 正直な話。幼女に蹴られまくる事をご褒美だと思えない俺は、このまま落ちた方が色々と楽なんだと思う。  しかし……。 「この! この! この! この!」 「ナブっ!? ガブ!? ゴバっ!? アンチョビ!?」  ベラの苛立ちが増す毎にその蹴りの威力も上がって行ったのだが、それでも俺が落とされる事はなかった。  何故ならば……! 「はぁ……はぁ……くっ! ここまでやって落ちないなんて……、まったく! 驚きの吸着力だわ!!」  ベラは額の汗を拭うと、穴の上から壁にピタッと足を貼り付けている俺を見下ろしながら呟いた。
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