少年クラーケン

16/50
前へ
/50ページ
次へ
「いや、そう言い切られてもなぁ……。」  ベラと言い合っていた男はそこで一旦言葉を区切り、少し考え込んでこんだ後彼女に別の質問を投げかけた。 「仮にこのキマイラがイカだとして、足が 〝8本〟 しかないのはどういう事だ?」 「うっ!? そ、それは……!」  これまで強引に話を進めてきたベラであったが、流石にこの質問には言葉をつまらせてしまう。 「どうした? 答えられないのか?」 「くぅぅぅぅぅぅ……!」  黒ずくめの男の追い討ちに対し、ベラは悔しげな表情を浮かべたきり唸り声を出す事しか出来ないでいた。  正直、イカでもタコでも俺にとってはたいして状況は変わらないんだけどね……。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加