少年クラーケン

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 まぁ、ソレが分ったところでヤツと同等に気持ち悪くなってしまった俺が、少女の隙をついて逃げ出したとしても結果は見えているのだけれど……。  タコなだけに柔軟な思考で現状を把握しながら、俺はウネウネと部屋の中を這いずりまわる。 「ねぇ、あんた?」 「え?」  すると突然少女に声をかけられて、俺は間の抜けた返事を返してしまった。 「な、なんでそうか?」 「…………」  いや、そこで腕を組んで黙られてもね?  と言うか、そろそろ落ち着いてくれないか俺の体よ?  これじゃあゆっくり話もできないし、自分の意思と関係なくウネウネされるのって、思った以上に気持ち悪いんだから……!
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