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「西条くんも色々大変だけど、ガンバルのよ。困った事があるなら先生いつでも相談にのるから、ズズズッ」
蕎麦っ!!
最後まで箸を休めることの無かった先生の言葉は、首を捻って思考を巡らせても意味が分らなかった。
母親が居ないことなんて最初から分ってた筈、今更?
もしかしてハルちゃんの事?
ちゃんと手綱を操れって事なのか?
その事を食堂に居るハルちゃんに伝えると
「ミヨちゃん流石・・・伊達に32年も女やってなかったんだなズズズ」
女やってたって言うか、今はおっさんにジョブチェンジしてたよ?
ハルちゃんは感心したように腕組をしながら学食のラーメンを啜っている。
器用っ!!
どうやってその麺口に運んだの!?
何!?
麺類流行ってンの!!
ズズズってブームなの!?
「どういう事?」
「ミヨちゃんはテルの恋心に気付いたんだよ!!クラスの野獣共に神崎を渡すくらいなら草しか食わない様な安全なテルに協力するって事だろ?」
先生がそんな事に協力する筈がない・・・やっぱり暴走特急ハルちゃんの操縦を上手くやれって事だな。
そう納得することにした。
「けどよ・・・神崎マジでテルに興味あるんじゃねぇの?」
「な、な、なんだよ急に!?」
「ほら、チラチラお前ばっか見てるし、そう言えば教室に入って来た時も一瞬誰かを探す素振りを見せてテルのとこで視線が止まったしな」
「は、は、ハルちゃんを見てたんでしょ?席隣だし・・・僕を見るなんておかしいよ」
そう言うとハルちゃんは急に笑い出した。
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