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ベッドから起き上がりカーテンを開ける。
射し込んだ輝きは強く、朝が早くなっている事を実感させた。
洗面台に向かい顔を洗ってサッパリすると、着替えを済まし専用のエプロンを着けた。
慣れた手付きで包丁を操り合間にフライパンを転がす。
隣の鍋は沸騰間近で火を弱めさっと味噌を溶く
朝食の準備が終えそうなタイミングで1階の寝室のドアを開けた。
「父さん、朝だよ」
気だるそうに起きる父親を確認し朝食を皿に盛った。
無駄の無い作業に自分でも惚れ惚れする。
「父さん、おはよう。はい新聞」
寝癖頭をボリボリかきながら新聞を広げる父親は欠伸混じりにおはようと聞こえないような声を発する。
「弁当はバッグの中に入れといたから」
「・・・ああ」
視線はずっと新聞で分ってるのか分ってないのか、返事だけが返ってくる。
「帰ってきたら、弁当箱出してっていつも言ってるのに、ちゃんとしてよね」
「・・・ああ」
同じような返答に言うのをあきらめた。
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