転校生は…

3/22
96人が本棚に入れています
本棚に追加
/301ページ
黙々と朝食を食べながら、食器の音だけが周りに響いている。 ふと時計をみると7時を少し過ぎていた。 「じゃあ、そろそろ学校行くから」 食器を流し台の水に沈め軽くすすぎ手を洗った。 「なぁ照彦・・・今日の夜、レストランで食事でもするか?」 視線は新聞の上のまま、声だけが語りかけてきた。 「はぁ?何で?」 何かの記念日だろうか? 考えるが思い出せ無かった。 「お前が行った事の無いような高級ホテルのレストランだぞ」 返ってきた言葉は聞き返した言葉の返答ではなかった。 まぁ連れて行ってもらえるんならそれに越したことは無い。 気分屋の父親が言い出したことだし期待しないでおこう。 そう思い、晩飯の準備をしなくてもいいかも、という事に少し喜びを感じた。
/301ページ

最初のコメントを投稿しよう!