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黙々と朝食を食べながら、食器の音だけが周りに響いている。
ふと時計をみると7時を少し過ぎていた。
「じゃあ、そろそろ学校行くから」
食器を流し台の水に沈め軽くすすぎ手を洗った。
「なぁ照彦・・・今日の夜、レストランで食事でもするか?」
視線は新聞の上のまま、声だけが語りかけてきた。
「はぁ?何で?」
何かの記念日だろうか?
考えるが思い出せ無かった。
「お前が行った事の無いような高級ホテルのレストランだぞ」
返ってきた言葉は聞き返した言葉の返答ではなかった。
まぁ連れて行ってもらえるんならそれに越したことは無い。
気分屋の父親が言い出したことだし期待しないでおこう。
そう思い、晩飯の準備をしなくてもいいかも、という事に少し喜びを感じた。
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