96人が本棚に入れています
本棚に追加
/301ページ
家を出て学校に向かう。
学校までは徒歩で20分ほど、ギリギリで自転車通学が出来ない地区なので残念だ。
学校に着くまでの間、財布の中身を計算する。
大金は持ち出せないから食費分だけ前日に財布に入れる。
「今日は買い物しなくて良いんなら、帰りに本買って帰ろうかな?」
そう呟いていると、急に背中を叩かれた。
痛い・・・そう思い後ろを振り向くと友達が立っていた。
「朝っぱらから何呟いてんだよ」
「あ、おはようハルちゃん」
「テル・・・主婦だ主婦。お前所帯じみしすぎてんぞ?」
「しょうがないじゃん」
そう、僕には母親が居ない
小学生の頃に病気で亡くなったのだ。
それからずっと家事をこなしているのだから所帯じみてもしょうがないと思ってしまう。
「だよな・・・しょうがねぇよな」
その事情は幼馴染のハルちゃんも良く知っている。
最初のコメントを投稿しよう!