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名前を呼ぶ声が遠くから聞こえたからか彼女は振り向き立ち止まった。
「そっちだった?家」
不思議な顔して問い掛けられたが俺は無言で首を振った。
涼しい夜風が頬を掠める。
目を瞑り一度深呼吸してから
「栗本が好きだよ」
思いの丈を吐き出した。
無表情でこちらを見つめる栗本は何も言わず目線を反らした。
ゆっくり近付き彼女の側に立つ。
横を向いて俯いている彼女の表情は髪がかかっていて伺い知る事が出来ない。
体を屈め彼女の顔を覗き込む。
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