《1》

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私達は、雨が止んだ昼下がりに会った。 ずぶ濡れで、現れた彼。 雨は朝から降っていて、さっき止んだばかり。 「傘はどうしたの?」と聞くと、 「昨日盗まれてなくなった。だから、雨の中歩いてきた。」 と、返事が返ってきた。 「それにしても、傘くらい買って歩けばいいのに。風邪ひくよ。」 「えっ、傘は蓮が持ってるでしょ。それに、午後からは晴れるって、お天気のお姉さんが言ってた。」 「寒いから、早く行こう・・・ね。」   彼は、私の手を引いて歩きだした。 若葉が風に揺れ、雨粒が陽射しでキラキラ光っていた。 私達の時間がまた、進んだ。
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