2匹目

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見ると小学生くらいの少年数名が、道脇の草むらで輪になってしゃがみ込んでいる。 「何してるんだ? 内緒話でもしてるのか?」 「陛下、下を見てください」 少年たちの足元に視線を向けると、幼虫が何匹か地面に転がっていた。 少年たちはそれを棒で突っついて遊んでいるようだ。 “痛い! 助けて!” 声が聞こえる。 もしかしてあの幼虫からか!? 「陛下、今の聞こえましたか?」 「あぁ、聞こえた。止めるぞ、コーカス!」 俺は少年たちに声をかけた。 警戒されないようなるべく気さくな感じを装いつつ。 「こんにちは。なぁ、君たち何してるんだ?」
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