1匹目

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道の真ん中で一匹の蜘蛛を見つけた。 そいつを片手で拾い上げる。 「こんなところにいたら危ないぞ」 そう呟いて、道脇の草むらに放してやった。 「まったく、おっちょこちょいな奴だな。もう道の真ん中なんか歩くなよー」 生い茂る雑草の中に消えていくのを見届けてから、俺はまた歩き出した。 行く宛は特にない。 気の赴くままに道を進む。 俺はこうして街をのんびりと歩き回るのが好きだ。 心地よい風が頬を撫で、木のざわめきや鳥のさえずりが耳をくすぐる。 いやぁ、それにしても今日は天気が良い。
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