1匹目

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やっぱりこいつみたいだ。 蜘蛛をじっと見つめる。 「ご無沙汰しております。その節は大変お世話になりました」 どの節だ? それよりこの蜘蛛、どっかで見たことあるんだよな……。 ん? ちょっと待てよ。 「お前、あの時のおっちょこちょいか?」 「左様で御座います! ワタクシのような者を覚えていてくださるなど、感慨無量!」 「ところで、俺のところには何の用で来たんだ?」 「恩返しでございます」 「そうか。そういうのは別にいいんだけどなぁ」 「そんな…。貰って下さらないと困ります」 「何を?」 「ワタクシどもの国をです」
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