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最近の子供は虫が電池で動いていると思っている、なんて話を聞いたことがあるけど。
あながち嘘でもなさそうだな。
子供たちがさっきまで居たところに、幼虫が一匹だけ倒れている。
「陛下、この子はもう……」
「そうか……」
残酷だけどこれが普通だ。
俺も子供の頃に同じようなことをして遊んだ。
だから俺は彼らを強く責めることができない。
「あのーすみません」
後ろから誰かに不意に呼びかけられた。
振り返ると二匹のアゲハ蝶が俺の目線のあたりを飛んでいる。
「もしかして俺か?」
「はい。先ほどはどうもありがとうございました。私たちはこの子の親です」
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