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「あぁ、確か他にも幼虫がいたような……」
「陛下、他の幼虫たちは少年らに連れて行かれました」
「そんな……あの子までいなくなってしまったら、私たちはどうすればいいの!!」
それを聞いた母親アゲハ蝶が悲嘆の声を上げた。
「なぁコーカス、少年たちがどっちに行ったか憶えてるか?」
「ええ」
「よし、じゃあ行くか」
「御意」
コーカスの先導で、今まさに走り出そうとした時だ。
前からさっきのリーダー格の少年とその父親らしき男が前から歩いてくる。
「あっ! パパ、あいつだよ」
少年が俺を指差して言う。
父親はそれを聞いて俺に声をかけてきた。
「なぁそこのあんた、ちょっといいか?」
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