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「実際は違うんだけど…そこは本題ではなくて、人の中にはバリアを破れる人がいるということが重要なんだ。そしてその事実を彼ら外界からの侵略者に知られてしまったことなんだ」
「別に知られたからってどうということも…」
「実はすでにいくつかの世界が彼らによって滅ぼされているんだ」
「は?なんて?」
「すでに侵略は始まっているのさ。ああ、君がいた世界はまだ無事だよ。次に狙われるのが君が行く世界というわけ」
「行く世界を変えてもらうわけには…」
「ゴメンね。僕は神の中でも下っ端の方なんだ。だから君がいける世界はそこぐらいなんだ」
「…ていうか、さっきは使命なんかないって…」
「君は自由に過ごしてくれてかまわないさ。君はこの戦争の計画には入っていないから。君をあの世界に転生させるのは僕の独断なのさ~」
「なんで俺を…」
「それはひ・み・つ」
「だから可愛くないから」
「ぶ~。まあ、いいや。とにかく君の選択肢は僕の説明を十分に聞いて転生するか。なにも聞かずに転生するか、だよ?」
「さりげなく転生しないという選択肢が消されているんだが?」
「ここまで手間かけさせてしないなんてことはないよね?」
「いや、でも危険そうだし…」
「ヘタレ」
「…」
「行くということでいいかな?いいよね?…じゃあ、話を戻そうか」
はあ、なんだか大変な世界に行くことになったみたいだ。しかし、ヘタレと言われてはこちらも引けん。とりあえず話を聞くか。
「ん?なんだか自己完結しちゃった?」
「いいから進めてくれ」
「そうだね。それで、人がバリアを破れると知った彼らは、すでに侵略した世界の人間を送り込むことにしたのさ。つまりは僕たちがやろうとしていることをあちらも始めたというわけ」
ウメダくん(仮)は一息ついてまた話し始める。
「さっき、イタチごっこといったよね。あちらはバリアを破れるほどの能力を持った人を送り込んでくる。こちらはそれを阻止する為に世界崩壊が生じるほどの能力を人に持たせて転生させる。その崩壊を防ぐためまた新たに神の力を持たせた人を転生させる。もはや手が付けられないんだ。でも、どうしようもない。願わくはこちらの陣営が暴走を起こすことなく防衛を務めてくれることなのさ~」
ふう。しゃべり疲れた。とまた椅子に座り肩をほぐしている少年。俺はなにを言うまでもなくその様子を見ていた。
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