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「とにかく、俺が行く世界にチートな奴らがいるってことも、それにはお前たち神の涙ぐましい計画が関係していると分かった。それを踏まえた上で、俺はなにもしなくてもいいってことなんだな?」
「そういうこと。君には一切なんの義務も生じないよ。それでも生きていくには辛い世界になると思うよ。あちらに転生してすぐに死ぬこともあるかもしれない」
「それでも転生させたいんだろ?理由は聞かねーけど」
「そうだね。苦しくても君にはまた人生を。望むなら幸せな人生を送って欲しいんだ」
「まるで親みたいな言い方だな」
「ふふふ、親心ならぬ神心な~んてね」
「なんだそりゃ。まあ、いいや。それで俺はいつ転生するんだ?ここにきて結構経ってるような気がするし」
「あ~、忘れてたよ。ちょっと待ってね」
そういうとおもむろに自分の足元の砂を掴み始めた。俺が怪訝な表情を絶賛公開していると、砂の中から一冊の分厚い本が出てきた。それを満足気に抱えたウメダくん(本人公認)はこちらに近づいてくる。
「能力を渡すことをすっかり忘れてたよ。この本が能力を具現化したものなんだよ~」
そういって、俺の額に本の角をグリグリ押し付けてくる。
「痛いっ!痛ぇって!何してんの!?何なの!?」
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