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「もう。ちゃんと力抜いて~。入らないじゃん~」
「どこに入れる気だよ!?俺の額にゃそんな本を貯蔵するスペースなんざねぇんだよ!あれか?俺の額がビデオデッキみたいにガシャコって開くとでも思ってんのか!?」
「う~ん。拒絶反応が強いなあ~。よしっ」
何やら決断したのか、ウメダくん(もうイイや)が本ドリル攻撃をやめる。
「ったく、何なんだよ、おまえ…は…」
顔を向けると超至近距離にやつの顔があった。そして、ゆっくり腕をこちらの背中へ回し、優しく抱きしめてきた。
それは心地良い温度と質感を伴って俺の心を埋め尽くした。神が本を持った方の腕を掲げた動きなんて気にする余裕もないほどの安心感だった。なにより、俺の胸に当たる二つの柔らかいクッションは一体…
「はい、ドーン」
「ごばぁっ!?」
頭に衝撃が走った。と同時に俺は倒れてしまった。
「よしっ、上手く入ったね~。やっぱり緊張をほぐすには抱擁が一番だよね~」
「…一体何が?…てめぇ、さっきのは何のマネだ!?」
「能力は君のモノじゃないから受け入れてもらわなきゃならないけど、やけに君が拒絶するから、安心させて受け入れやすくしただけだよ~。別段、頭に痛みはないでしょ?」
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