第一章 神とやら

16/18
前へ
/242ページ
次へ
「確かに頭は全然痛くねぇ。ってそういうことじゃねぇんだよ!そんなん云々じゃなくてだな…」 「な~にさ~。君は不満ばっかだな~」 「うるせぇ。じゃなくて、てめぇ。抱きついた時…そ、その…お、ぉ…」 「お?」 「お、おおお、おっぱいがあるじゃねぇか!!」 「君、顔が尋常じゃないくらい赤いよ?能力譲渡の後遺症かな~?というか、胸があっても不思議じゃないさ。僕は女性だからね」 「そ、そんなの聞いてねぇぞ!」 「あれ、言わなかったっけ?まあ、対した問題じゃないでしょ~」 「そもそも神のくせに性別があんのかよ!」 「そりゃ~あるさ~。女神って言葉があるくらいなんだからさ~」 「ぐっ…」 「ともあれ、これで転生の準備は終わっちゃったね~。あとはほれ、その扉をくぐるだけだよ」 そういって我らが女神が指差す方向をみると、先ほどまでなかった扉が悠然と建っていた。 「いつのまに?」 「君の心の準備ができた時に…さ」 「あれをくぐったらもう異世界なのか?」 「あれ?僕のキザなセリフにはノータッチ?冷たいなぁ。まぁ、ともかくそういうことだね~。ほら、ちんたらしてないでさっさと行く!」 「分かったから押すな。ったく、いきなり急かしやがって…」 扉に近づくと、それに反応しているのか扉も徐々に開き始める。扉の先も見えてくるが白一色で何も分からないようだ。
/242ページ

最初のコメントを投稿しよう!

646人が本棚に入れています
本棚に追加