第二章 能力とやら

4/12
前へ
/242ページ
次へ
とりあえず、俺の現在位置を検索っと。…検索っと。あれ?該当なしって出るんだけど?おかしいな。俺の現在位置、検索。 『該当なし』 なんでーー!!?…そういや、誰かが知っていないと適用されないって言ってたな。そうか、俺の位置なんか誰も知らないよな。俺も知らねえし。 はい、詰んだぁ!なんだよ。早速使えねぇじゃん!?えぇ!?転生した最初の森で遭難死って、斬新すぎる! 「…どうしよう」 仕方ない。無謀だが、歩くしかないな。どうか、森を出れますように…。 あれから、どれくらい歩いたろうか?辺りは変わらず木、木、木しかない。出口のでの字すら見当たらんよ。 結構歩いたはずだが、体力的には全然疲れていない。のだが、流石に精神的にくるな、これは。完全に獣道だし、なんだかここの気候、肌寒いし。 そういや、俺、魔法使えるはずなんだよな?[手のひらの中の魔法(ポケットマジック)]とかいうやけに小っ恥ずかしい名前の。 うしっ。試しに使ってみるか。とりあえず火でも…どうやって? いや、[全知]みたいに感覚的なものなのかもしれん。 「…火よ」 …声に出しちゃった。人がいなくてよかった。変人扱いされるとこだった。この世界ではそうじゃないのかもしれないけど…。
/242ページ

最初のコメントを投稿しよう!

646人が本棚に入れています
本棚に追加