第二章 能力とやら

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で、肝心の火はちゃんと俺の目の前に浮かんでいる。火の玉みたいで、大きさは…手のひらサイズだ。…少し嫌な想像をしたよ、俺。 あのネーミングが気になる。[手のひらの]というところが大いに気になる。 ひとまず先ほど出した火の玉を消し、再び火をイメージする。今度は少し大きくサッカーボール大のをイメージして…。火よ…。 火が正面に灯る。肌寒さを払うように熱を与えてくれるそれは…手のひらサイズだった。目をこすって再び見ても手のひらサイズだった。大きくなれ、と強く念じてみても…手のひらサイズだった。 俺がほけっとしていると、あざ笑うかのように火の玉がボボボッと音を立てる。イラっとした俺は火の玉を叩き消すように思いっきりはたいた。 するとどうでしょう。鮮やかな橙の光が手のひらから発せられているではありませんか。 …状況を整理しよう。今どういうことが起こっているんだ?簡潔に結論づけてみよう。 手が燃えています。 …待て。落ち着け。俺は冷静だ。冷静な俺は、物事を客観的に判断できるはずだ。落ち着いて状況を見ろ。 手が燃えています。燃え盛っています。 「ぎゃああぁあ!!手がっ、手がぁ!」 と、唐突に爆発音がした。そして、遅れて大きな何かが倒れる音が地響きとともに轟いた。
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