第二章 能力とやら

7/12
前へ
/242ページ
次へ
水の玉は触れられた途端、手を覆う様に移動する。冷たさも何もないが、確かに水で覆われている。 近くの木に寄って水を纏った手で木を殴ってみた。水が弾けて霧散したが、木も俺の手も特に変化はなかった。 うーん。属性がまずかったか?ならばと思い今度は風を纏わせる。そして同様に木を殴ってみた。 空気を裂くような音とともに、木が大きく傾いだ。拳を離すと、そこを基点にして鋭い裂傷が木を回り込んで通ったように走っていた。 「おっそろしいなぁ…」 人になんかに使えばスプラッタなことになるじゃねぇか。早めに知れてよかった、よかった。 思わぬ奥の手が見つかったのはいいとして、普段の魔法の使用は戦闘に向かないかもしれない。とすると、頼れるのはよく分からない[平衡崩し]ということか。 とりあえず歩きながら[全知]で[平衡崩し]について調べる事に。 『[平衡崩し]の使用を許可します』 と出る。どうやら俺は今、平静であるようだ。というかこの状態で使えないなら、どこまでリラックスしないといけないのか考えなきゃならないとこだったよ。 とまあ、許可されたのはいいけれど、どう使うんだろう?…さっきからこればかり言ってる気がする。そういや、物理平衡とか言っていたけど…
/242ページ

最初のコメントを投稿しよう!

646人が本棚に入れています
本棚に追加