第二章 能力とやら

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『物理平衡、それは…』 ぐわっ、頭が痛い説明でちんぷんかんぷんだ。分かりやすくできないのかなぁ? 『大元は単純に力の平衡であり、人が地面に立っていられるのも重力と地面から支えられる力が平衡しているからです。誰かと押し合って倒したり倒されたりするのも力の平衡の結果です。これは人や物だけではなく、水や空気、果ては電気や光まで該当します』 へー、すげぇんだなぁ。地面と重力ねぇ。重力が下向きの力で、地面から支えられる力が上向きの力っと。 だとすると、だ。地面から支えられる力を重力より優位になるように平衡を崩せば俺は浮き上がるんじゃなかろうか? よし実践だ。平衡…崩しっと。 「…」 何も起きんな…。怖かったからほんのチョットになるようにしたからかなぁ?もうちょい地面優位に平衡ずらしてみよ… 『警告。世界崩壊に至る行為に該当します。即時停止を推奨します』 「えっ、まじ!?ストップストップ!!」 あわてて、やめようとするが、どうやったらやめられるかが分からない。分からないまま、ドキドキしていると、 『一時、[平衡崩し]の使用権を凍結します』 となった。どうやら止めることができたようだ。危なかった。ここにきて一日経たずに世界滅ぼすとこだったよ。
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