第二章 能力とやら

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「おっ、成功?」 どうやら上手くいったようだ。さらに小石にかかる浮力を優位にすると、小石がゆっくりと浮かび上がる。 次はこれを自在に動かしたいな。早速、検索検索っと。 なるほど。浮力は周囲の大気から受ける力の結果…か。小石は今も大気に全方向から力を受けているっと。なら…。 力の均衡を動かしたい方向へ崩す。ゆっくりと小石が宙を滑るように動き出す。 うーん。超能力者になったみたいだ。慣れてきた俺は、小石を空中で自在に動かし回る。そのスピードも徐々に上げていく。 そのまま小石を前方の木々へ向けて放つ。その間も小石の速度を上げていく。 そして、小石が木に当たるところで、小石と木にかかる互いの力を小石側に絶対優位にして… 小石が木を折り貫く。そのスピードのまま後ろの木もそのまた後ろの木も砕いて貫いていく。 ものすごい轟音と破壊を残して小石は何処かへと飛び去っていった。 『動揺を検知。[平衡崩し]の使用権を一時凍結します』 結論。調子に乗って使う能力じゃない。 俺は何も言わず、川の下流側へと歩き始めた。 歩きながら、今度は[手のひらの中の魔法(ポケットマジック)]の使い方を[全知]で調べていた。 どうやら基本的な属性だけでなく、障壁や転移、浮遊といったものまであるようだ。 といっても障壁は手のひらに手のひらサイズしか展開しないし、一回防ぐと効果をなくし、もう一度展開するのにわずかにタイムラグが生じるので使いどころが微妙。
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