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「ん?ああ、なんでもない。まあこの際だから、僕はウメダということでいいよ。それで君のことなんだけど…」
「いいのかよ!?えらく悩んでたように思ったけど、ウメダくんでいいのか?まだやり直せるぞ?」
「…それで君の話なんだけど、君はね…」
「スルー!?やっぱ怒ってらっしゃるんじゃないですか!?」
「怒ってません~。もう話の邪魔しないでよ~。君のことについてだよ?何もわからない君にとっては注意を向けて聞くべき話じゃないの?」
「いや、そうなんだけど。って頬を膨らませて怒っても可愛くなんかないぞ」
嘘だ。実のところこの少年?の顔立ちは子供っぽさを残しながらも、整っていて、万人に好かれる愛らしさを持っている。
のだが、あの顔を見ても特に好意が湧かない。なんというか、普通というか、もはや当然すぎるというか。そう、まるで自分を鏡で見ているような…
「それで君のことなんだけど~。話し進めてイイかな?って聞いてる?」
「え、あ、おお!聞いてる聞いてる!要はあれだろ?思春期の恋は身体の未発達さによる勘違いってことだろ?」
「いつから保健体育の話になったっけ?」
「大丈夫だ。その話は完璧に熟知している」
「え ~、なんかキモい。じゃなくって!君の話!何回言わせるのさ、もう」
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