第二章 能力とやら

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転移も浮遊も手のひらサイズの物体のみ適用可能というイマイチ利便性にかけるものだった。 ひとまず、戦闘で使えそうな、手に属性魔法を纏わせる技は手だけではなく、体のどこでも可能とのこと。纏う範囲は手のひらサイズだが。 効果を発揮するのは打撃のインパクトの瞬間で、叩く強さに応じて威力が増減するという。 [平衡崩し]が使えないときは、これがメインの攻撃手段になるだろうな。 ちなみに火の玉などの属性魔法はいくつでも同時に出せるが、纏えるのは纏う部位を変えて二つまでだった。 能力について大体知ったところで、[全知]を解除する。起動状態だと、脳内に常に映像が浮かぶような感じでなんだか疲れるのだ。 川を下って幾星霜。いや、おそらくそんな時間も経っていないだろうけど。そろそろ何かアクションなりイベントなりが発生してもいいんじゃないだろうか。 その俺の思いに応えようとしたのか、唐突に誰かの叫び声が辺りに響いた。
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